嗜好品

嗜好品といっても、タバコを吸わずヤクもやらないしじみにとっては、ただ飲み物を指す言葉です。寒い時期の登山には温かい飲み物がかかせません。雪山で飲む森永ココアはボルドーの70年ものよりおいしいと思います。ボルドー飲んだことないけど。

ココア、コーヒー、紅茶などの嗜好品類は、家で作って広口魔法瓶に詰めてもっていくこともありますが、たいていストーブをもっていって湯を沸かして飲みます。猫舌のしじみにとっては魔法瓶でも十分熱いのですが、まあストーブの方が雰囲気が出るし、他の料理にも使えるので。

酒以外のカフェイン系飲料は、ミルクと砂糖をたっぷり入れて飲みます。下界ではとても飲めない濃い味が冷えた体に染みます。また、友人Mが開発した「ブラックコーヒーに黒糖カリントウ」のゴールデンコンビは他の追随を許さないうまさです。1袋105円で幸せになれます。雪上で大の男二人が小袋入りのカリントウを仲良く分けあっている光景は、ほほえましいというよりは不気味ですが・・。

また、これも友人Mが開発したものですが、真冬の秘密兵器として「コアントローのお湯割り」というのがあります。コアントローというのはオレンジ風味のカクテル用リキュール。これをマグカップに少量入れ、熱湯を注げばできあがりです。湯気とともにオレンジの香りがたちのぼり、飲むとアルコールがカッと熱く、なんとなくベテラン登山家気分になれるのでおすすめです。「俺も若い頃はローツェ南壁に挑んだもんサ・・」とか、遠い目をして語りたくなります。(※もちろん真っ赤っかなウソです)

いつぞや女友達Pさんにこのコアントローお湯割りをすすめた時は、味は好評だったけど、「アタシあんまりお酒飲むとアホになるからー」とのことで一杯でストップ。しじみとしてはどんな風にアホになるのかすごく見たかったのですが。

まあ山で酔っ払うといろいろ危ないし、高笑いしながらたき火に飛び込もうとしたヤツとか、「クラムボンは死んだよー」と叫んで川にダイブしたヤツとか、テントにゲロをぶちまいて使用不能にしたヤツとかを過去に知っているので、無理にはすすめませんでした。

アルコールに強くない人には、かわりに甘酒やショウガ湯をおすすめします。どちらもマグカップにいれて湯でもどす固形キューブが市販されています。いかにもおばあちゃんの味で、思わず背を丸めてすすってしまいますが、これはこれでけっこうおいしいです。ほっこりしていきなしぇ。ずずー。



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