【釈迦岳】 滋賀県大津市(高島市境)


■本図は (財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

釈迦岳/2006年7月1日


うっとうしい梅雨のせいで、何度か週末登山をボツにされたしじみとKさん。もうこうなったら多少の雨は覚悟の上ということで、今回は雨が降っても大丈夫と思われるコースを選び、降水確率40%の曇り空をにらんで出発しました。

目指したのは比良の釈迦岳。鈴鹿の釈迦ヶ岳とまぎらわしいですが、霊仙山とか竜王山とか武奈ヶ岳とかが県内にそれぞれ2つずつあることを思えば、「ヶ」で区別がつくだけまだましでしょうか。きっと昔は「釈迦」とかがナウなヤングにバカウケのトレンディーな名前で、みんな競って似たような山名をつけちゃったんでしょうね。

国道161号を北進し、JR北小松駅北側の道を西進して比良山岳センター方面へ。山岳センターを過ぎてしばらく進むと車道は行き止まりとなり、そこが登山口です。5〜6台止められる駐車スペースと、屋根付きの休憩所があります。

道は登山口からいきなり分岐。楊梅滝の直下に行く谷道と、その南の尾根道に分かれています。ここは尾根道を進みます。等高線を見ていただければ分かるように、すさまじい激登り。早くも汗が噴き出します。たまらず滝見台の東屋でちょっと休憩。ここは楊梅滝がよく見えます。

登山口の看板に書いてあったのですが、楊梅滝は「やまもものたき」と読むそうです。しじみは高校山岳部時代に何度かこのコースをたどり、この滝も幾度も目にしたのですが、あまり頭の良くなかったウチの高校は、顧問の先生も含めてみんな「ようばいのたき」と呼んでいました。「夜○いの滝」という下ネタを連呼していたN先輩を、懐かしく思い出しました。

涼峠の少し手前から登りが緩やかになり、ほっとします。国土地理院地形図のニセ涼峠のあたりまで、ずっと快適な道。この辺は地形が入りくんでいて、全体に平らな台地状です。

「ここ、廃村とかあってもおかしくないよね」というKさん。彼女はボーッとしているようで時々鋭いことを言います。台地の北の方が湿地で住みづらかったせいか、実際に村落跡などはないようですが、地形的には確かにありそうな雰囲気です。
興が乗って、その後も山岳民がどうだこうだとか、山窩とか土蜘蛛だとかの民俗オタ話に花を咲かせているうちに、ヤケ山に着きました。

ヤケ山は低木に囲まれた狭い頂上で、見晴らしはあまりよくありません。パラパラと雨も降ってきたので、合羽を着て早々に出発。GPSを注視して支尾根に入らないように気をつけ、南南西に折れた後は、本コース2度目の激登りです。ところどころ見晴らしがいい所もあるのですが、二人ともそれどころじゃありません。湿度150%の空気の中を、汗みずくになりながら約30分。ようやくヤケオ山に着きました。

ヤケオ山もヤケ山と変わらず、眺望があまりなく、広さも8畳程度(8畳もないかな?)の狭い頂上です。雨もいったんやんだので、ここで昼食にしました。ハエがムンムン飛びかっていて、座っているとたかってきてうっとうしかったので、立って歩きながらコンビニおにぎりをかじりました。この状況を「立食パーティー」と言えるKさんは素敵だと思います。

ヤケオ山から釈迦岳までは、もうアップダウンもあまりなくて楽勝。さっきのヤケオ山までの激登りが「事実上の決勝戦」だったね、などと言いながら登ります。地図ではやたらガレていて危険な感じですが、実際のガレは道から外れていて、尾根道は安全です。最後のわずかな急登を経て、ついに釈迦岳1060mに到着です。


すごい湿度のせいで幻想的。(被写体除く)

頂上には、高校生か大学生らしき若い男女の集団が先着していました(我々も若いけど ^-^;)。彼らはみんな60L程度の重装備で、会釈して武奈ヶ岳方面へ消えていきました。ザックの側面ポケットに長ネギとゴボウをはさんでいる子がいたので、今夜はどこかでテント泊なのでしょう。雨の中ご苦労様です。

「長ネギとゴボウということは、きっと今夜はすき焼きですね」
「ええ〜?すき焼きにゴボウなんか入れる?」

・・この後、しじみとKさんの間で、「すき焼きにゴボウを入れるか」について5分ほど激論がかわされました( ^-^;)
(結論:そもそも2人登山ですき焼きなんかしない

この後の下山路は、「八淵の滝からガリバー村」「大津ワンゲル道からイン谷」などがありますが、いずれも名だたる難路で怖いから、素直に来た道を戻ります。往路に勝る安全なしです。

途中で振り返ると、谷あいからすごい勢いで霧が発生していました。綿菓子の機械みたい、とKさんがメルヘンチックなことを言いました。
「こうやって雲ができるんだー」とかも言い出したので、さすがに「これは霧であって雲ではない」とツッコミを入れると案の定怒り出しました。夢のない男ですいません。

その後は特に何事もなく、往路と同じ道をたどって無事下山しました。雨よりは9割方は汗でびしょ濡れになった体を早いとこ何とかするべく、近くの温泉「比良とぴあ」へ直行。汗を流してキレイな体になって(当社比)、あとはいつもの行きつけ、堅田が誇るヌーベルシノワの店「王将」でディナータイム。「早い・うまい・安い」の3拍子が揃ったセレブな料理の数々を満喫しました。

王将堅田店は、店先のアジサイが紫の大輪を咲き揃わせて、すばらしくきれいでした。何だかそれはとっても王将らしくない感じで、たいへん印象に残りました。そんな意外な驚きをくれる王将堅田店、皆さんもぜひ機会があれば行ってみてくださいね!(またよくわからんまとめ ^-^;)

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