大納言 Attack3



二度に渡り畜産団地に敗れ、失意のまま暮れていった2002年。年が明けてからしばらく、別の山々を踏破してゲン直しをはかったしじみとMは、3月も末になってから、新たな気持ちで三たび大納言山頂に立ちました。

今度こそは慎重に。Mは新兵器のGPSを手にして、しじみはコンパスを西に合わせて、ブレないように一直線に進みました。道とか関係なく、ブッシュにがむしゃらに突っ込んでクモの巣にまみれながら進み続けると、前方の視界がふいに開けました。

密林から吐き出されるようにしてしじみたちが出てきたのは、一面のススキ野原。それを突っ切って立ったその場所こそ、夢にまで見た畜産団地でした。やった!ついにたどり着いたぞー!!

・・えっと。
苦労して到達した畜産団地ですが、残念ながらここのことはあまり書くことができません。別に国家機密で記憶を消されたわけではないのですが。

そこには牛がいました。鶏がいました。それは普通に畜産施設でした。団地といっても人が住むわけではなく、ただ養牛・養鶏施設が集合しているだけ。山間地にあるのも臭気や排泄物処理対策のためで、分かってみれば何の不思議もありませんでした。地元の小学生もときどき社会科見学に来る、地元ではよく知られたスポットだそうです。

そして何より、ここは私有地でした。立ち入り禁止の土地であり、別に怒られたわけではないのですが、なんかイケナイことをしている気分になったしじみたちは早々に退去しました。
さようなら畜産団地。夢をありがとう。

というわけで、さんざん書いておいて何ですが、この山域はおすすめしません。むしろ「三雲」の地図を見て、同じ愚をくり返す人が出ないことを祈って、この大長編を書きました。
(心配しなくても、そんな奴はまずいないと思うけど・・)

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