【銚子ヶ口】 滋賀県東近江市


本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

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銚子ヶ口/2004年8月8日 

紅葉とこんにゃくで知られる滋賀の秘境・永源寺。また最近では避暑地・キャンプ地としても人気で、夏場には集落のすぐ脇を流れる神崎川の清流を目当てに、軟派なオートキャンパーたちが大挙して押しかけます。

8月上旬、銚子ヶ口に登るべく永源寺集落に乗り込んだしじみと友人Mは、神崎川の河原でたわむれる水着の若い男女を横目に眺め、足でもつっとけと呪いをかけながら須谷川登山口を目指しました。

須谷川登山口の周りはキャンパーの車で埋め尽くされており、キャンプ場のおばちゃんに登山者用の駐車場を教えてもらったしじみたちは、少し離れた林道沿いの空き地に車を止めました(後で知りましたが、ここは「鈴鹿国定公園管理事務所」でした)。

事務所の管理人らしきおじいさんが、「あんたら若いのに川遊びでなく登山とは感心じゃ」と親しげに話しかけてきましたが、適当にあしらいました。老人はどうも苦手です。世代間交流のヘタな第2次ベビーブーム以降生まれだからでしょうか(いや単にヒキコモリオタだからだと思う)。

登山開始。じめじめした谷道。こんなところはヤツらがいる可能性が高い・・と思ってたら、木からポタリと落ちてきました。

イタ━━━(゚∀゚)━━━ッ! 山ビル!

こんな谷道はさっさと抜けてしまうに限ります。しじみとMは時々互いをボディーチェックしながら、ずんずん尾根を目指しました。・・そんな時でした。5人目の超人に出会ったのは。

<超人ファイル5>
それは空手家の佐竹雅昭に似た、筋肉太りの若い男でした。登山道をすごい勢いで下ってきた彼は、我々と一瞬ですれ違い、あっという間に見えなくなりました。ボーゼンと見送ったしじみとMは、その後ほぼ同時にツッコミを入れました。

「なんで半パンやねん!」

そう。彼はこの山ビルうようよ地帯を、Tシャツにハーフパンツのスネ丸出しで走っていたのです。無謀だ!あまりにも無謀だ!ヤツは超人に違いない!きっとスネにヒルが吸い付くと、ハリセンボンのようにスネ毛がいっせいに逆立って撃退するのだ!間違いない!

また、彼と我々がすれ違ったのがだいたい朝の10時頃。彼がもし銚子ヶ口の頂上を踏んで戻ってきたのだとすると、往復で最低4時間はかかるから、朝6時頃に入山したことになります。いかに登山バカでもそんな意味のないことをするヤツはいません。だからきっと、彼は谷道のどこかからわいて出てきたに違いない!しじみとMはそう語り合い、超人の底知れぬ能力に戦慄したのでした。
超人列伝に戻る>

それから歩くこと2時間。しじみとMは銚子ヶ口東峰の頂上にたどり着きました。ここは360度の素晴らしい眺望地点です。気に入ったしじみたちは、ここで昼食をとることにしました。

しじみたちが昼食の準備をしていると、10人ぐらいのボーイスカウト風の子どもたちが、引率の先生とともに登ってきました。しじみたちの周りにシートをしいて、どうやら彼らもここで昼食のようです。

彼らは、あらかじめ配られていたらしい幕の内弁当のようなものを食べ始めましたが、見ているとどうもまずそうな弁当です。いや実際にまずいらしく、引率の先生も含めて会話がはずまない様子です。

一方、しじみが食べていたのは近所のパン屋で買ったカレーパンその他の総菜パン。カレーの匂いをプンプンまきちらして食べていると、子どもたちの視線をいやがおうにも感じてしまいます。そしてとどめのデザートは、フリーザーバッグで冷やした一口ゼリー。これをしじみもMも1袋ずつもってきていて、カルピス味とグレープ味を分けっこしながら、チュルチュルとうまそうに食べたのでした。だって実際うまいんだもん。子どもたちのうらやましそうな視線をヒシヒシと感じましたが、あげる気はさらさらありませんでした。くやしかったら早く大人になりなさい。大人バンザイ。ビバ大人。

大人げないしじみたちは東峰を発って続く三角点峰、南峰、西峰を目指しました。

西峰の周辺には何やら丈の低い草が群生していました。これを踏みつけて歩くと、胞子のようなものがモウモウと舞い上がります。


「腐海の瘴気じゃ〜!」
「くっ・・少し肺に入った」

オタ全開のナウシカごっこをしばらくやってから、往路を引き返し下山しました。

下山後の最終ヒルチェックで、スパッツにまぎれこんでいる1匹を発見しましたが、幸い血は吸われていませんでした。しじみはぎゃあぎゃあ騒ぎながらこいつを親の仇のように何度も踏みつぶし、Mに見苦しいと怒られました。

そういえば頂上で出会った子どもたちは、ヒルの恐怖に耐えながら登ってたんだな・・小さいのに偉いな・・ゼリーあげれば良かったな・・などとはカケラも思いませんでした。だって我々は世代間交流のヘタな第2次ベビーブーム以降生まれで(以下略)

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