【日本コバ】 滋賀県東近江市


本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

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日本コバ/2004年2月14日 
 


日本コバ。この珍妙な山名は、コバすなわち休憩所を2回(=二本)経れば頂上にたどりつける山だから「二本コバ」、これが転化して「日本コバ」になった、という説が一般的ですが…休憩の回数で名前つけるか普通?
確かにあまり特徴のない山ですが、でもお前のアイデンティティはそんなもんじゃないだろう、もっと自分をアピールしろよ、と思わず励ましたくなってしまいます。

さて、日付を見ていただければ分かるように、この日は聖バレンタインデー。なのにもっさい男2人で山登りしている我々は何なんでしょうか。「二人非モテ」とかそういう名前がつけられるんでしょうか。我々のアイデンティティはそんなもんじゃ(以下略)

「バレンタインなんて菓子メーカーの商業戦略だよね」「チョコって体に悪いらしいよ」などと友人Mとともに精一杯の虚勢を張りつつ、愛車ネイネイ号で八風街道を爆走して永源寺へ。雪の積もる登山口を経て、バシバシにつららの張った藤川谷を遡上します。

登る途中、しじみはだんだん足に異様な冷たさを感じてきました。どうやら渡渉中に靴の中に浸水してしまったようです。歩いている時はまだしも、止まると耐え難い冷たさなので、ノンストップでひたすら進みます。2回どころか1回も休憩できなくなってしまいました。(靴下の替えとか持ってませんでした…切腹!)

来る前にはとても楽しみにしていた小型の風穴「古代人の岩屋」もちょこっとしか見ず、カンジキを着けてとにかく先へ先へ。「停滞は死だ」とか、どっかで聞いたようなスローガンを叫びながら進みます。

途中、2匹の犬を連れたおじさんとすれ違いました。1匹はちっこいダックスフントで、もう1匹は何とかレトリバーとかいう毛のフサフサした大型犬。ダックスフントの短い足はすぐ雪に埋まり、雪面に思いっきり腹を擦りながら懸命に進む姿は何ともコミカルでした。飼い主のおじさん、かわいそうだから抱いてあげようよ…。

そしてようやく頂上に到達。足がとにかく冷たいしじみはものすごい仏頂面です。


上半身はけっこう暑いので、チグハグな格好。
ファッションセンスとかいうものはどこに行ったら買えますか。

昼食を食べている間にも、足が冷えてたまりません。だいぶおかしくなっていたしじみは、コーヒーを飲むために沸かした熱湯を靴にぶっかけるという暴挙に出て、かたわらの友人Mの顔をひきつらせていました(彼はしじみのヤバい変化に相当驚いたらしく、その後は「早く降りよう!な!な!」と本人以上に心配していました。ありがとう…)。ちなみに靴が頑丈すぎて、熱湯をかけても中は全然暖かくなりませんでした・・靴を脱いで足をストーブで直接あぶればいいのにバカだなぁ・・。

そそくさと帰路につく我々。ズンズン下っていくと、渡渉地点でまたあの犬連れのおじさんに出会いました。ちょうど川を渡ろうとしているところで、面白いことに、ちっこいダックスフントがさっさと対岸に渡っているのに、でっかい何とかレトリバーが渡るのを怖がってぐずぐずしています。

「いるよねーああいう見かけ倒しの意気地なし。ガキ大将のくせに雷が怖いとかね」
ケラケラ笑いながら何とかレトリバー(←しつこい)のかたわらを通って川を渡ったその時。ヤツは我々の態度にムッときたのか、いきなり猛然と川に飛び込み、一気に渡って我々の方へ突進してきました。飼い主に止められてギャンギャン吠えるヤツ。ダッシュで逃げる我々。意気地なしはどっちだ。

そして、ほどなく登山口へ。いつしか靴の中も冷たくなくなって、今さらながら元気が出てきました。そうMに告げると、「そりゃ良かった。今日はだいぶ寒いから、凍傷にでもなられたらどうしようかと思ってた」とのこと。

しじみ


「オレもやたら寒くてさあ、足全体がすっごい凍傷になるかと思ったよ。
 そりゃもう凍傷ダイモスっていうぐらいすっごいの」

「あーダイモスか。そりゃスケールでかいなー」 

・・その会話が寒いよ。
(こんなオタク全開のトークをしてる限り、バレンタインなんて一生関係ないと思う・・_| ̄|○)


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