【霊仙山】 滋賀県犬上郡多賀町


本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

★登山お役立ちデータ集★
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霊仙山/2003年8月3日 
 

比良山系にも同名の山がありますが、ここで紹介するのは鈴鹿山系の霊仙山です。なんで県の東西に同じ名前の山があるのでしょう。滋賀県には他にも金糞峠と金糞岳とか、昔の人のいやがらせとしか思えない類似名があります。しじみの被害妄想でしょうか。

登山道は整備されており、所々で地元の方が立てたものらしい道標が道案内をしてくれます。この道標には方向案内とともに標語が書いてあるのですが、これがちょっと誤植が多い。

「登山のマナを守りましょう」
スクウェアのゲームを思い出すのは私だけでしょうか。

「気つけて登りましょう」
よ?なぜ「よ」なの?しばらく考えて、カタカナで書いたら「ヲ」と「ヨ」が似てるからおぼえ間違えたのかなーという結論に達しました。でもそれって戦前の教育では?

イカンイカン。せっかく親切に道標を立ててくれてるのに。おちょくってはいけません。

登りの途中、少し道を外れたところに漆ヶ滝というけっこう大きな滝があります。


大瀑布!江戸幕府!

くだらないギャグを言って同行の友人Mに怒られました。

そこからさらに登っていく途中で、道に迷ったという学生っぽいメガネの兄ちゃんに出会いました。正しい道(と思われる)を教えてバイバイしようと思ったら、何やらフレンドリーに話しかけてきて、ついてこようとします。これはイカン。しじみもMも冷たくあしらって、あからさまに歩行スピードをあげました。そしたら察したようで、残念そうに去っていきました。
ごめんね学生くん。君が女の子だったら対応が180度変わってたのにね。

頂上(経塚山)に着きました。すごい!360度の大パノラマ!<写真がないのに言うな
いやほんとに見せてあげられないのが残念な大高原です。これはおすすめですよ!

恒例のヒルチェックで2匹の山ビルを見つけて、ひとしきり騒いだしじみたちは、そのまま頂上で昼食。するとそこに現れました。3人目の超人が・・。

<超人列伝3>
それは見たとこ70歳近いおじいさんでした。ボロボロのカッターシャツを1枚だけはおり、前ははだけて赤銅色に灼けた胸板がのぞいていました。ズボンも同じくらいボロボロです。荷物もなく身一つで、登山者というよりはベトナム難民みたいです。

じいさんは唐突に話しかけてきました。
「お前のその杖は重いだけで意味がない」
Mの愛用している金剛杖(桜かなにかの木の枝杖です)をいきなり全否定。
「地図も満足なものを持っとらんのう」
クリアファイル入り国土地理院地図も全否定。

「ワシはいい地図もっとるぞ」
じいさんはズボンのポケットから、これまたボロボロの折り畳んだ地図を取り出しました。開いていくそばから破れていくようなシロモノです。見てみるとA3紙にコピーしたもののようで、画質がかなり悪く、しかもどうにか読めた縮尺は5万分の1。まあ使えなくはないけど、これこそ意味がないよ・・。

「どっから来たんですか?」
Mが定番の質問。
「あっちから」
指さす方向は真北の谷底。谷からはい上がってきたと言います。
「なんでそんな道のないとこから?」
じいさんは得意げに答えました。
「クマに会っても素手で倒せるぞ」
聞いてないよそんなこと。
「クマの肝は薬になるんだぞ」
だから聞いてないって。

じいさんはもっと武勇伝を語りたそうでしたが、我々はそそくさと立ち去ろうとしました。話がかみ合わないのもあるのですが、それよりじいさんが、全否定したくせに我々の地図をものすごくほしそうにしていたからでした。しじみもMも同じものを持っているので、1枚はいらないといえばいらないのですが、だからといってあげる気はありませんでした。ほしいなら素直にほしいと言え

ちょうどそこにあの学生くんがやってきました。新たなエモノを見つけたじいさんは一瞬で我々を見切って、学生くんに再アタック。よかったね学生くん、仲間ができて・・。

この超人は、これまで出会った中で一番超人らしくなかったです。超人になりそこねた人間と言うべきか。そう思うと少し彼の背中が寂しげに見えました。夢破れて山河あり・・(by M)。
超人列伝に戻る>

三角点峰と最高峰を巡って戻ってくると、分岐のあたりでじいさんと学生くんはまだ熱いトークを続けていました。よかったね2人とも。

しじみたちは目を合わせないようにしながらそそくさと下山路につきました。さようならじいさん、学生くん。2人とももし女の子だったら、対応が180度(以下略)


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