シグナルミラー (Adventure Medical Kits社)


 
大きさ:7.5×5cm 厚さ:4mm 重さ:20g

遭難信号用の鏡です。ケガなどで動けなくなった時、救助ヘリや捜索隊に自分の所在地を知らせるために使います。

使い方は・・書くまでもないか( ^-^;)太陽光を反射させ、対象物に反射光を送ることで、自分の所在を知らせます。何百年も前から行われていたであろう古典的な方法ですが、これだけ簡便で、汎用性が高く、強力な信号ツールは現代でも他にないと思います。

「でも、光を反射させるだけなら、わざわざ専用の鏡を買わなくても、普通の手鏡で良いのでは?」・・と思われるかもしれません。しじみもかつてはそう思って、スティックミラーというミラーシールを携帯電話に貼り、いざとなったらシグナルミラー代わりに使おうと考えていました。

ところが、試しに近所の公園の高台から光を反射させてみると、近くならいざしらず、遠くの狙ったポイントに光を当てるのが、かなり難しいことが分かりました。いやそれ以前にたいていの場合、当たっているのかいないのか全然分からないのです。ヘリなどの移動目標の場合、普通の鏡で照準を合わせるのはほとんど不可能でしょう。生きるか死ぬかの瀬戸際で、必死でチカチカさせた鏡の光が、実は相手に届いていないとしたら・・むなしいこと限りなしです。というわけで、普通の鏡は遭難信号用には使えません。実験失敗により、スティックミラーは速攻ポイされました。さよならムーミン・・。

やっぱり餅は餅屋、ということで、ネット通販で買ったのが冒頭の写真のミラー。アドベンチャーメディカルキッツ社というアメリカの会社の商品で、遭難信号専用の鏡です。(※シグナルミラーのメーカーは他にも数社あり。単純な商品なのでメーカーによる差異は別にないと思います)

普通の鏡ではできない照準合わせをするために、このシグナルミラーは中央に照準窓を設けてあります。照準窓を通して対象物をのぞき、対象物に重なって光の輪が見えたら、確実に対象物に反射光が当たっている(=対象物側からはキラキラ光って見える)のだそうです。どういう原理で光の輪が現れるのかしじみには分かりませんが( ^-^;)、実験で至近距離の対象物に光を当ててみると確かに光の輪が出るので、その性能は間違いないでしょう。これなら徒労にならなくて安心ですね。さすが専用。

基本的にはこの照準合わせの方法をおぼえるだけで、日中いつでも、どんな角度の対象物にも使えますが、日の出・日の入りといった特殊な時間帯は、ちょっと勝手が変わります。これらの時間帯に仰角方向の対象物(自分より上に位置する対象物)に光を当てる場合は、照準窓に光の輪が出ません。そういう時はもう一方の手でVサインを作って、そのVサインに光を当てた状態で、Vの谷間に対象物が見えるようにすればよいそうです。(このVサインうんぬんは、鏡の裏の英文を辞書首っぴきで訳しました ^-^;)

ただ反射光を送るだけでは、何か金属製の建物が反射しているように思われてしまうので、照準を合わせられたら、ミラーを時々傾けるなり、手で覆うなりして点滅させましょう。照準があっていて、そこに人がいるのならば、まず間違いなく気づいてくれるはずです。後は救援を信じてチカチカ点滅作業を続けましょう。きっときっと、信じる者は救われるー!

逆に、山中で遠くに点滅光を見かけた時は、それは息もたえだえの遭難者による必死の信号であるかもしれません。救助に行ける距離なら行き、遠すぎて無理なら最寄りの山小屋や警察に通報するようにしましょう!「向こうの山の中腹で、なんかチカチカしてるね」「うっとうしいね」で終わっちゃいけませんよ〜!!

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というわけで、万一の時の生存率をアップさせる心強いお守り、シグナルミラーの巻でした!ちなみにこの商品、登山具店などでもめったに売っていないため、ネット通販で買うのがよいかと思います。え〜と、つまり、その〜・・

買う時はできればここから買ってください( ^-^;)
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