【三国岳】 滋賀県犬上郡多賀町(岐阜・三重県境)


本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

★登山お役立ちデータ集★
標高/眺望/ヤマビル/天気/地図/交通/タクシー/トイレ/観光/温泉


三国岳/2005年8月21日 
 

ロングコース釈迦ヶ岳・御在所山を踏破し、いやが上にも盛り上がる(?)鈴鹿スペシャル。しかしその後しばらくは悪天候に悩まされ、しじみたちはなかなかチャンスに恵まれませんでした。

順当に北上すれば次は石榑峠〜鞍掛峠間の縦走となるのですが、この区間もまた相当ロングで泊まりがけを考えていたため、好天の続く時を狙いたいところ。しかし雨天による中止が相次ぎ、荷物を満載した75Lザックが、お地蔵様のように部屋に鎮座する日々が続きました。(しじみの75Lザックは「持ち主に似て自立しないザック」として有名ですが、この時は珍しく支え無しで立っていました。「クララが立った〜」とか言って一人喜んでいたものです)

業を煮やしたしじみたちは、「こうなったら泊まりがけコースは後に回して、たまの晴れ間を利用して北の日帰りコースを先に片づけてしまおう」・・と予定を変更。大雨が降った日の翌日、鞍掛峠付近での集合を約束して、それぞれの家を出発しました。
この頃になると、車を2台使うのはもはや当たり前。何でも力わざで解決するのは主義ではないけれど、だってそれしか手がないんだもん・・(←かわいくスネてみた)

しじみの方が先に国道306号に入ったのですが、ふと道路情報の電光掲示板を見てびっくり。「大雨による被害のため、大君ヶ畑から先は通行止め」と出ているではありませんか。これでは登山口にたどり着くことすらできません。急いで車を止め、後を追って来ているはずのMに電話しました。

しじみ
 M
しじみ
 M
しじみ
 M
「なんか『おおきみがはた』から先は通行止めだってさ」
「なんてこった」
「どうする?」
「とりあえずお前もっと勉強しろ」
「へ?勉強??」
「大君ヶ畑は『おじがばた』って読むんだ」


・・今の争点はそこじゃないだろう (-_-*)

とりあえず合流した我々は、ダメ元で通行止めゲートまで行ってみることにしました。でも案の定、ゲートはがっちり閉まっています。しじみはもうこの時点で帰る気マンマンでしたが、あきらめきれないMは、作業員のおじさんたちがたむろしているのを見ていきなり交渉を始め、なんと「鞍掛トンネルより先には行かないから」という条件で入れてもらうことに成功しました。おそるべしM。

鞍掛トンネル前の広場に車を止め、ようやく登山開始です。天気は快方に向かっていましたが、小雨がパラついていたので鞍掛峠で合羽を着込みました。樹木に覆われて眺望はありませんが、尾根道はわりと踏まれていて歩きやすく、高低差も少な目。ハイキングのような小気味よい稜線歩きを楽しみました。

そして、まず三国岳手前の「最高点」に到達。Mはここが三国岳だと主張しましたが(現にそう勘違いしている登頂プレートもいくつかあった)、しじみはまだ先だと反論。やがて本物の三国岳(かつての近江・美濃・伊勢の三国の境)にたどり着き、しじみの正しさが立証されました。「お前こそもっと勉強しろ」とさっきのお返しをしてやりました。しじみはけっこう根に持つタイプです。

さらに北西方面へ進みます。山とは全然関係ありませんが、この頃はちょうど郵政解散・総選挙が連日報道されていた時期で、しじみたちもホリエモンがどうだこうだとかミーハーな話題に興じていました。
そして議論するうちに、「日本は誤った道を歩んではいまいか?」などと珍しく真面目な話にヒートアップ。互いに自説を主張して盛り上がり、ふと気がついたら自分たちが誤った道を歩んでいました。尾根を外れて時山方面の下り道に思いっきり迷い込んでいたのです。仕方がないので手足を総動員して急斜面を強行突破し、激しい登りにゼイゼイ言いながらP803のやや手前の尾根道に復帰しました。天下国家を語る前にテメエの足元を見ろ、と2人で猛省しました。

ヤブ山のP803で昼食。この前後から道がすっかり消えてしまった(!)ため、怖じ気づいたしじみが「引き返そうよ〜」と弱気になる一幕もありましたが、結局またMに丸め込まれて続行となりました。

とにかく尾根から外れないように気をつけながら、倒木を乗り越えヤブに突っ込み岩場を這いずって、GPSを頼りに道なき道を進みます。誘導テープを見失う「プチ道迷い」も3度ほどありました。でもそもそも道がないのだから、「道迷い」も何もあったもんじゃないんですが・・。
P803から試行錯誤の前進をくり返して3時間半、ヤブから吐き出されるようにしてようやく五僧廃村に着きました。後から思い返しても、ここは鈴鹿スペシャル全ルートの中で最悪最凶のルートでした。良識ある読者の皆様は絶対行っちゃダメですよー!

当初計画では五僧廃村まで車を持ってくるはずだったのですが、通行止め騒ぎでこれをやらなかったので、しじみたちはこの後、権現谷林道を2時間弱歩いて国道306号に復帰しました。軽い日帰り登山のはずが、また8時間コースになってしまい、車についた時はもうグッタリでした。
帰り道は居眠り運転しないように、車内で一人カラオケを熱唱しながら帰りました。対向車の視線が痛かったです。

というわけで、このコースはアクセスも悪けりゃ道も悪い(というか道がない)ので、挑戦される方はくれぐれも万全の態勢で臨んでください!また、文中には書いていませんが夏場はヒルの楽園です。こちらもご注意を!まあコースのすごさに気を取られて、ヒルなんかどうでもよくなってしまうんですが・・。(家まで2匹もテイクアウトしてしまい、オカンに激しく怒られました・・)


週刊やましじみ:登山よもやま話のサイト  TOP近畿の山>三国岳