圧縮大作戦!


何を隠そうしじみは圧縮マニアです。コンプレックス、じゃなかったコンプレッションについて考えると夜も眠れません。登山装備の詰め方をあれやこれやと工夫して、テトリスのごとく隙間なく積むのに情熱を燃やす変人なのです。「みっしりと詰まってゐる」のが大好きなのです( ^-^;)

今回はそんなしじみの、荷物コンパクト化技術を紹介します。小技ばっかりですが・・。

◆圧縮袋

圧縮と聞いてまず思いつくのは、100円ショップなどで売られている衣類圧縮袋です。しじみはこれに非常用の下着類を入れています。

しかしこれは、正直なところ登山用にはビミョー。確かに体積は減るのですが、ガチガチのブロック状になるので、ザックのちょっとした隙間にギュウギュウ詰め込めなくなるのです。

しじみザックは荷物のポジションがいつもだいたい同じで、このブロックもたまたまうまく組み込めたので使っていますが、少しでもザックの空間を有効利用したいなら、衣類はバラして隙間の穴埋めに使うのがいいかもしれませんね。

でもこの圧縮袋、衣類以外で役立つ使い方があります。それは一度開いてしまったレスキューシートを再び収納できること。1回こっきりの使い捨てだと思っていたレスキューシートですが、ミニサイズの圧縮袋に入れてギリギリと空気を抜くと、ほぼ元の圧縮状態に戻せるのです。また買わなくていいからお得!

もっとも、レスキューシートを開封するということは遭難するということですから、そもそもこのワザを使うことはあまりないかもしれません(しじみが開封したのはビバーク演習で使ったからです。遭難したわけじゃないですよ〜 ^-^;)。でも逆にこのワザで何回も使えますから、テント泊などで積極的にレスキューシートを使ってみてはいかがでしょう?結露にさえ気をつければ、保温にけっこう使えますよ〜。

◆コンプレッションキャップ

これは何かと言いますと、シュラフを圧縮してコンパクトにするものです。
メーカーはモンベルイスカなど。


これだけでは何だか分かりませんが・・

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シュラフにかぶせてベルトを締めて圧縮!するためのものです。

上の画像は縮小率が違うので正確な対比ではありませんが、実測値でいうと長さ36.5cmのシュラフが約22cmになりました。実に-14.5cm、2/3以下のサイズに圧縮成功です(なんかダイエット広告みたい ^-^;)。圧縮のコツは縦にして床に押しつけながらベルトをしぼること。ギチギチに圧縮したシュラフはバレーボールのように固いです。普段どれだけ空気を含んでいるか実感できます。(※1

コンプレッションキャップによって、日帰り登山でも、非常用にシュラフを持っていけるようになりました。45Lザックの赤枠の部分にシュラフと非常用下着セットが入っています。下の気室に入れることもできるのですが、ここはチャックですぐ開けられるメリットを活かして、合羽や救急箱など取り出しに急を要するもの、あとヘッドランプなどの小物類を入れています。

これだけ入れてもまだ上にかなり余裕があるので、ソロ用テントとコンロ・クッカー・食糧・水を入れ、マットを外付けすれば、45Lザックで1泊2日のテント泊が可能です。ソロ用テント持ってないけど( ^-^;)2人用テントでも、パートナーがテント以外の共同装備を持ってくれれば可能ですね。この場合パートナーは35Lザックでいけるはず。

避難小屋泊まりなら45Lザックで2泊3日はいけるし、1泊2日なら35Lザックでいけるはず。シュラフを圧縮しただけで、がぜんいろいろな展望がひらけてきました!これだから圧縮はやめられない〜!

なお、コンプレッションキャップと同系の製品に、コンプレッションスタッフバッグというものもあります。ひょっとしたらこれの方が圧縮率が高いのかもしれませんが、しじみがこちらにしなかったのは、このスタッフバッグは縦方向の圧縮ができないからです。しじみの45Lザックは横幅が約30cmで、シュラフを縦方向に圧縮できなければ、シュラフを横に寝かして入れられません。立てて入れるとなると、シュラフ以外のものの出し入れが多少面倒だし、ザックの片側が軽くなってバランスが悪そう。シュラフや下着類はザックの奥底に鎮座するのが一番具合がいいのです。

しかし逆に、横幅の長いザックをお持ちの方や、立てて入れても荷重バランスを調節できるという方は、こちらも検討するべきでしょう。いずれにしても、こうした製品を買う場合は、あらかじめザックの寸法を測っておいて、さらにお店に自分のシュラフを持ち込んで実際に圧縮してみるといいでしょう。しじみはモノサシまで持ち込んでさんざん試しました。お店のブラックリストに載ったかも・・。

これらシュラフ圧縮グッズは非常に便利ですが、これで長期間圧縮したままにするとシュラフの中綿がつぶれてダメになってしまうらしいので、登山前日に圧縮して、登山後はまたゆるめておくようにしましょう。ずっと圧縮しておけるとなおさら便利なんだけどなあ・・。

◆スタッフバッグ詰め込みのコツ

最後に、圧縮とはちょっと違うんですが、豆知識を一つ。
シュラフやツェルトなどのスタッフバッグが小さすぎて、一度出したらなかなか元通り収納できない・・という人がたまにいますが、これは往々にして詰め方を間違っていることが多いです。

正しい詰め方は、詰めるブツをスタッフバッグよりも細長く巻いて、とにかくバッグに入れてしまうことです。極端に言うと円錐形にして、とがった方から入れます。

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当然頭がはみ出てしまいますが、あとは袋を立てて上から押す!押す!押す!・・これで無事収納されます。シュラフにツェルト、合羽やテントに至るまで、全てこの方法でOK。お試しあれ。

かつてはしじみも収納が苦手で、うまく詰められないのは握力が無いせいだと思っていたのですが、実際のところ握力は全く関係ありません。握力35のしじみが言うんだから絶対です。

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以上、圧縮に血道をあげる男の物語でした〜!
なお、当然のことながら圧縮しても重量は減らないどころか増えるので、調子に乗って空いたスペースに缶詰とかをガンガン詰め込んでバテないように!!(経験者語る ^-^;)



<追記>

※1
しじみのキャップはモンベルの製品ですが、イスカのカタログページを見ていると1/2以下に圧縮されているように見える・・イスカの方がモノがいいのか?と思ったら、何のことはない視覚のトリックでした。カタログページをよく見ると、モデルに40〜53cmの大型シュラフを使っているのです。

空気のカタマリのようなシュラフはいくらでも圧縮できそうですが、コンプレッションキャップはその構造上、ベルトをいっぱいに締めても22cmが限界。したがって元の大きさが大きいほど圧縮しがいがあります。53cmが22cmになれば、そりゃあ1/2以下ですね。

しかも俯瞰ぎみのショットでナナメに見下ろしているところがあざとい。したがって結論を述べますと、モンベルでもイスカでも、どっちも特に変わんないよ〜ということです( ^-^ ) あと、冬用のごっついシュラフほど、コンプレッションキャップを使うメリットが大きいということが言えます。

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