GPSクリップ(自作)


GPSをザックの肩ひもに取り付ける装置を自作してみました!これまではカラビナで胸に下げていたんですが、どうもうっとうしかったので・・。
このクリップでスッキリするとともに、なんと!肩に取り付けることでGPSの電波の入りが格段に良くなりました!!以前の2倍入るといっても過言ではありません。首からさげている方、腰につけている方はぜひぜひご再考を〜!

なお、これをクリップというべきかホルダーというべきか、英語が壊滅的に苦手なしじみにはよく分かりませんが、なんとなく語呂の良いクリップにしました。「GPSガッチン」とかのオリジナル名も捨てがたかったんですが。

<材料>
壁取り付け用フック、半円形または滴状の金具(フックの掛け金)
ピンオンリール、輪ゴム3個

フックと掛け金はホームセンターで売っています。ピンオンリールは釣具店や登山具店で売っています。材料費は全て合わせて800円前後。

<作り方>
まずザックの肩ひもに、フックの掛け金を取り付けます。多くのザックは肩ひもの上面に調節ベルトがついているので、これを利用します。

しじみはたまたま家にあった金具を使いました。これは湖南アルプスの某山でお隠れになった初代熊に金棒の(生き残った)留め金部分です。

普通はこんな物持ってないと思いますので( ^-^;)、ホームセンターで適当な金具を入手してください。ナスカンやアイプレートを使うのがいいと思います。Kさんのザックに同様の装置を取り付けた時にはナスカンを使いました。

 

ナスカン                アイプレート

そしてGPSにフックとピンオンリールを取り付けます。ピンオンリールのリングに電池ケースのツマミ部分を通し、同リングにフックも通します。フックを2個の輪ゴムでGPSにくくりつけ、さらにもう1個の輪ゴムで縛って固定します。



横から見た図。何ともチープで美しい。

ピンオンリールを調節ベルトに取り付け、フックをかけて完成!フックの湾曲が浅く、掛け金からすぐに外れてしまうという場合は、トンカチでぶったたいて湾曲を深くしましょう。

ザックを背負うとこんな感じ。まったく邪魔になりません。画面を見たくなったら、片手で上に引き上げれば簡単に外れて、2秒で見られます。元に戻す時も片手でOK。非常に楽チンかつスピーディーです。

ピンオンリールは何のためかというと、まれにフックが外れた時に、GPSが落ちて地面に激突しないための安全策です。GPSの重量を支えきれるわけではありませんが、シュルシュルとゆっくり糸が出て、腰のあたりで落下が止まります。フックを掛けそこねた時にも安心です。

また、制作時は意図しなかったんですが、冒頭にも書いたように、衛星電波が非常によくとれるようになりました。当社比(?)2倍ぐらい。なぜかと思って調べてみると、GPSの受信機部分(画面より上の部分)は、空に向けておくと一番電波がとりやすいのだそうです。(考えてみたら当たり前か ^-^;)
この装置の場合、完全にあおむけとは行きませんが斜め上方に向くし、自分の体で電波をさえぎることがないため、受信率が高くなったのでしょう。

これに関してちょっと余談。しじみはかつてGPSの項で「衛星電波は固体を透過しない」と書きましたが、これは必ずしもそうではないことが最近分かりました。ある時Kさんがザックの天蓋にGPSをあおむけにして入れていたのですが、登山後に取り出してみたらほぼコース全域の軌跡ログが取れていたのです。つまり衛星電波はザックの薄い布ぐらいは透過するのです(いいのかソレ?)。もし何が何でも軌跡ログをできるだけ多く取りたい、という場合はGPSを仰向けにして、ザックの天蓋に入れておくのがいいみたいですね。歩行中には見られなくなりますが・・。

話は戻ってGPSクリップ。非常に良い物ができたので、ガーミンに売り込もうなどと半ば本気で考えたのですが・・ネットで検索してみると、当然のように既にこんなのが売られていました。

ベルトクリップ eTrex用(ガーミン)

私の努力の意味はどこに_| ̄|○

・・でもよくよく見てみると、見た目のエレガントさはさておき、しじみのクリップの方がいい面もあるな〜と思いました。以下、ガーミン商品の欠点。(半分以上いちゃもん)

  • ザック肩ひもにうまく取り付けられないような気がする。
    (実際に現物を見てないので偏見かもしれないけど・・ ^-^;)
  • 留めそこなって落とした時の安全策がない。
  • 値段が高い。
  • しじみが持ってる旧モデルGPSにはそもそもネジ穴がない。

また、ネットでいろいろ検索してみて、スキーヤー向けのこんな独自開発商品も発見しました。

GPSホルダー(アルパイン・パック・エキュイップメント)

こういうニッチなもの作ってる会社大好き( ^-^ )
これも現物を見たわけではありませんが、こちらは逆にいくつかのメリットが即座に分かります。

  • ストックを持った体勢でGPSが完全にあおむけになるため、電波の入りが非常に良いと思われる。
  • 腕時計感覚であり、GPS画面を見るためにいちいち着脱する必要がない。

しかしスキー用途には完璧と思われますが、登山用途の場合は、ストック(ポール)を持たない場合かえって電波が入りづらい&少々うっとうしい、転倒した時などに木や石にぶつけて壊す可能性がある・・といった欠点が想定されます。雪山登山をやる人にはいいかな〜。

というわけで、他商品をダシにして自作品をほめちぎるしじみでした( ^-^;)
まあ安心確実なメーカー品を使うにこしたことはないのかもしれませんが、登山道具にかかる費用を少しでも安くあげたいあなた、輪ゴムのみすぼらしさが気にならないあなたは、この際ぜひ自分で作ってみましょう!フックが掛け金にカチッとはまる小気味よさがクセになりますよ〜。



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