【杉峠・イブネ・クラシ・銚子ヶ口<2>】 滋賀県東近江市


※超ロングコース。スタートは一番下です※

■本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。


杉峠幕営2/2006.10.8-9


AM 5:00。谷に朝日が差し込みました。スーパー低気圧が去り、今日は良い天気のようです。

紅茶を沸かし、最近入手したロースターで食パンを焼いて、ガーリックバターを塗って食べました。さらにフルーツ缶を開け、おやつのカップケーキにまで手をつけて、朝からモリモリです。

ラジオから聞こえる朝のニュースにツッコミを入れつつ、のんびりマッタリ撤収していたら、いつのまにか8:00。のんびりしすぎです。高校総体なら失格モノです( ^-^;)

真っ青な空のもと、いよいよイブネ・クラシに出発です。杉峠を北に折れてしばらく行くと、広い丘のような場所に出ました。鹿の楽園チックなステキな広場です。国見岳、御在所岳、東雨乞岳、雨乞岳、綿向山、竜王山と、鈴鹿の名峰をぐるっと見渡せます。

さらに進むと、再び雑木林の中。イブネに行くには、途中で道をゴキッと90度ぐらい折れて、北東の尾根に乗らなければなりません。間違えて西や北西の尾根に入り込まないよう注意!

余談ですが、北西の尾根に入った場合、ずーっと奥に進むとタイジョウというマイナーなピークがあります。しじみとMは何年か前に別ルートでこのタイジョウに登ったことがあるのですが、ヤブと痩せ尾根のすさまじい道しかなく、ピークは眺望皆無で、下りも道のない谷をムリヤリ降りて、吐き出されるように渋川に出てきた・・という有様で、正直二度と登りたくない山でした。

そういう危険な山なので、当サイトの登山録に載せることもなく、頂上で撮ったネタ写真も、日の目を見ることなく今まで捨て置かれてきました。せっかくなのでここで掲載します。読者の皆様、タイジョウには絶対行かない方がいいですよ〜!


タイジョウ!!

さて、話は戻ってイブネ縦走。北東尾根をズンズン進み、少し下ると佐目峠です。ここには面白い形の岩があります。いい具合に割れています。


佐目峠のケツ割れ岩

そして、急登を1つ越えれば・・そこは憧れのイブネ・クラシでした。

 

 

広い広い草原、そして東西に広がる絶景。東に鈴鹿主稜線と三重市街に伊勢湾、西に綿向山と湖東市街と琵琶湖。まさにここは、「鈴鹿の奥座敷」を名乗るにふさわしい別天地でした。
「・・本当にイブネでクラしたいなあ」すっかり気に入った我々は、30分ばかりも広い台地をウロウロして、憧れの地を満喫しました。タイジョウなんぞと違って、ここはぜひもう一度訪れたいです( ^-^;)

ずっと居たいけど、今日はロングコース、ガンガン先に進まなければなりません。残留したいとぐずるMを引っ張って、今度は北西に折れて進みます。ここもゴキッと折れる箇所なので、読図注意!これ以降、道はやや不明瞭になっていきます。

しばらく行くとまた、北にコキッと折れる箇所があります。ここには複数の道標がありますが、現在地をP1022としていたり、はては「大峠」と書いていたり、全部ウソっぱちです。この一帯の道標は必ずしも正しくないので、「現在地が縦走路であることの証明」ぐらいに考えて、書いてあることはあまり本気にしないようにしましょう。

そして道は、地形図でも見るからにそれと分かる、非常にいやらしい極細痩せ尾根になります。これまでとはうってかわってひどい難路で、滑落や落石の危険にあふれた道です。
今度はしじみが怖イ帰ルとぐずり出し、それをMがなだめすかして進ませるという構図になりました。つくづく我々って凸凹コンビ( ^-^;)

なんとか痩せ尾根を越え、「舟窪」と呼ばれるあたりに出ました。ここでまたまた道はゴキッと折れて北西に進むのですが、痩せ尾根で気力を使い果たしたしじみは、間違って北東の尾根に入り込んでしまいました。

Mがすぐに気づき、引き返すことになりましたが、その時、近くのヤブがガサガサ動きました。
「クマか!?」・・と思いきや人でした。出てきたのは中年のおじさんハイカーで、我々とは逆に縦走路を南下してイブネ・クラシを目指していたところ、道に迷ったとのこと。一緒に舟窪まで戻り、正しい道をそれぞれ情報交換して分かれました。
自分が迷ったから言うわけではないですが( ^-^;)、ここ舟窪は確かに南北どちらから来ても、間違って北東尾根に入り込みやすい地形です。くれぐれもご注意を!

さらに進み、大峠の小さな広場でコーヒーを沸かして昼食。木漏れ日の注ぐ広場は、脳味噌が溶けそうなほど気持ちが良いです。昼寝したくなるのをぐっとこらえて再び出発です。

「水舟の池」に折れる分岐(ここを大峠とするプレートがあったが、地形的には峠じゃない・・まあどっちでもいいか ^-^;)を経て、小ピーク「水舟の頭」を過ぎれば、次のピークはもう銚子ヶ口西峰。かつての踏破コースとつながりました。ここまで来るとだいたいの残り行程が分かるので、気が楽です。

銚子ヶ口南峰にたどり着き、時間に余裕があるので大休止としました。

 

ここは鈴鹿スペシャルで歩いた鈴鹿主稜線がバッチリ見える好ポイントで、Mは持参の双眼鏡をのぞき込んでは、やれ水晶岳の観測小屋が見えるの、中峠に人がいるだのと騒いでいました。やたらと楽しそうなので、「見せて」と言ったら「百円」と言われました。何ですかそのつるセコな商売は。
(※もちろん冗談で、タダで見せてくれたけど ^-^;)

景色をたっぷり堪能した後は、勝手知ったる(というほど知らないけど)銚子ヶ口の下山路をテクテクと降りて、無事に国定公園管理事務所に帰り着きました。

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というわけで、「イブネでクラす」は、秋晴れの中で大満足のうちに終わりました!景色最高、計画バッチリで、良い幕営縦走でした( ^-^ )
唯一の課題は朝の撤収時間、「40秒で支度しな!」とはいきませんが、せめて2時間以内に収めたいところです。何かいい知恵あったら教えてください〜( ^-^;)

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